Heinersdorf, 今回は一番最初の散歩で行ったF20の斜め上。14度目にもなると、以前訪れた近くが当たる確立も増えてくるのかな?しかし『どこが当たろうとつまらないことはない』と前回学んだし、うふふ、ちょっと余裕がでてきてる私。
数値の中にある駅はPankow-Heinersdorf。ネットでPankow Hein・・と入力していると、すぐPankow Heinersdorf Ruineと出てくる。どうやら有名な廃墟があって、機関車トーマスにでてくるような操車場が残っているらしい。ということで、今回は廃墟訪問です。久々に義母も一緒。廃墟とか楽しんでくれるかな~とちょっと不安だったので、前もって説明しないで出発!
駅を降りるとすぐにこの建物が見える。機関庫だったこの建物は有形文化財に登録されてるけど、1995年に閉鎖して以来放置されっぱなし。でも大型家具チェーン店のオーナーがここ一帯を買い取り、学校やショッピングセンターを兼ねた住宅地を提案してるけど、この地区の行政と折り合いがつかず、かれこれ10年以上計画は宙ぶらりん状態。
ひろ〜い。私、鉄道ファンでもなんでもないけど、昔は24本ものレールが放射状に敷かれてて機関車が真ん中で回転してたかと思うと、結構ぐっとくるものがある。
何で開発計画が実行されないのか?ちょっと調べてみると、どうやら巨大ショッピングセンター案がネックになっているみたい。そもそも大型家具店のオーナーが土地を購入した時点で慈善事業じゃないことは百も承知だけど、でもね、このプロジェクトのサイトを訪れ計画予定図を見ると、家具店が大きいのはまあ分かるとして、隣りのショッピングセンターも異様にでかい。行政としては街中と同規模のショッピングセンターなんて要らん!地元の小売店を潰す気か?彼らにチャンスを与えるべきだ!と。たしかに、住宅・学校案はおまけにすぎず、家具店への客寄せの為ショッピングセンターを大きくしたいのは一目瞭然で、いくら投資者でもちょっとなり振り構わず過ぎやしないか?って思う。
街一つ造ってしまうほどの影響力を持っているのに、目先の自己利益だけで何処にでもあるようなショッピングセンターを作り、その周辺がどうなろうとおかまいなしって、なんだかお粗末な未来像だなって思ってしまう。これじゃあ行政が首を縦に振らないのも分かる気がする。私には全く関係のない都市開発計画だけど、どこで折り合いをつけるのか興味深い。っていうか、廃墟を訪れ都市計画の方に興味を持つ私も大人になったというか歳をとったなって思う。
更に奥へ行くとある扇形庫。計画だとここに学校を新設する予定となっている。こっちは有形文化財に認定されてないのかな?こんな素晴らしい扇型の建物なんてもう建設されないだろうし、この建物そのものを修復して学校にできないんだろうか?と思ってしまう。残して欲しいなぁ。
この転車台もそのまま池にするとか、 水を抜いて花壇にするとか・・・できないものかな?
二つの廃墟の間にある、比較的新しい建物の廃墟。作業員の施設だったんだと思う。
夕方になっても撮影する人は耐えない・・・。
久々に素晴らしい廃墟を見たし、お義母さんも楽しんでくれたので良かった。うちの近所の廃墟も何かしら撮影してるけど、こっちは知名度もスケールも違って撮影し甲斐のあるロケーション。私も写真を撮ってる途中からお腹いっぱいですというくらい充分雰囲気を堪能しました。昼間だったら廃墟独特の不気味さはなく、というかむしろ週末で天気が良かったこの日は人が多く、相手の写真に入らないよう気をつけながら撮るほどの撮影ラッシュ。その反面、警察もよく巡回しているとどこかのサイトで読んだし、何処の廃墟だろうと自己責任で行くのは当然のこと!です。
2008年に開設した、旧東ベルリン側に初めてできたモスク。開くにあたっては地元の人の反対がかなりあったらしい。ここはイスラム教の女性達の寄付金によって建てられたのでモスクとしては珍しく女性がドームの真下(上の階)で、男性が下の階でお祈りすることになっている。
偶然子供を連れた若い男性に会い、彼がモスクの中を案内してくれた。無理強いせずスマートに中を見せてくれる。地域住民と打ち解け、全てを快く見せるのは彼らの心得としてるところなんだと思う。
すごい豪華な名前の交差点。タクシーに乗って『フィガロ通り○番まで』って言ってみたい。でも名前負けしてる通りだった。
お義母さんがご馳走してくれるというので、大好きなレストランへ行く。
機関庫、素晴らしかったな〜。有形文化財がゆえに壊すに壊せず、廃墟になって手つかずになる建造物はよくある。廃墟の再利用って利益を考えたら採算があわないものだと思う。だからこそ、そういう部分は市が援助するべきなんだけど貧しいベルリンにはそう簡単な問題ではない。今後どうなるにしろ崩れかけた廃墟も歴史の一部なので、あの雰囲気を少しでも残しつつ修復してほしいと切に願う。