Alt-Tegel 近っ!以前訪れたA10の近く。この散歩は地図の端が当たろうと何があるかな?どんな場所だろう?と想像するのが楽しい。むしろ、散歩に行く前のワクワク感が醍醐味といっても過言ではない。でも今回は以前訪れた場所の二マス下。街中だったら知ってる所でも何かしら見どころがあって飽きないだろうけど、郊外の住宅地で同じ区域はだいたい想像がつく。しかし当たった数値には前に訪れた森の南方が入ってて、またキノコが採れるかも(訪れたのは10月)と思ったのが唯一私達のモチベーションをあげました。ということで、きのこ狩りセットを持って出発!
駅名の表示看板と黒いベンチが一体化している。マットなスチールで出来てる駅名とか、さりげなくお洒落。ドイツの工業デザインには本当一目おいてます。
左右で色の違うタイルの壁。珍しくグラフィティーも広告もない!一見殺風景だけど、建築家の意図が分かる気がする。
重要文化建築になっている建物。この建物、以前見た出版社の建物と同じ建築家によって設計されたものらしい。青空に茶色の煉瓦が映えて綺麗だった。
小さな古い駅。調べると、ベルリンが4カ国によって分割、統治された時にフランス軍が建設した軍用駅。
この日はお天気が良く暖かかったので、店先でたくさんの人がお茶していた。ここら辺は店のディスプレイや看板が懐かしい感じなんだけど、お茶してる人々もどこか懐かしかった。
Freie Scholle Siedlung 日本の団地とは趣が違う計画住宅地。1895年に設立され今では1500世帯もあるのだそう。色んな建築家により設計され、その中の一画にあるブルーノ・タウトが手がけた住宅群。重要文化建築にはなってるけど世界遺産のではありません。
トリビアな話だけど、ここの住宅地計画を発案したのはグスタフ・リリエンタールという人で、彼のお兄さんは航空パイオニアで有名なオットー・リリエンタール。前々回訪れた散歩で公園の中にぽつねんと立っているお兄さんにお会いしたことがある。
Pffering=アンズダケだ!と思い採集。ちなみに後で調べたら、まぎれもなくFalscher Peffering(Hygrophoropsis aurantiaca)という似非アンズダケでした。ドイツ語では食べてもいいけど人によっては中毒症状を起こすと書いてあるし、日本語だとヒロハアンズダケといって食用かどうか不明、もしくは毒きのことして書かれてるのでやむなく処分。でも誰もいない静かな森で、この鮮やかな色のきのこを見つけるのは楽しかった。
Schloss Tegel テーゲル城 お城というよりはお屋敷って感じだけど、ここはベルリンにあるフンボルト大学を創設したヴィルヘルム・フォン・フンボルトが住んでいたところ。
弟アレキサンダーは博物学者。貴族で兄弟そろって知識人。日本でいうと誰かな?
お城の近くにDicke Marie =太っちょマリーという、樹齢900年以上のベルリン最古の木があるというのでそれを見にいく。そもそもその木はフンボルト家の料理人マリーにちなんでフンボルト兄弟が小さい時に名付けたもの。たぶんマリーさんがふくよかだったんでしょう。
太い幹の中は空洞で支柱が組まれているほど立派な樹で、他の訪問者も写真を撮っている。太っちょマリーも見たしそろそろ帰ろうかと思ったら、フィリップが最古の木はこれじゃないと言い出す。調べるともうちょっと先にあるらしい。もう日が暮れはじめてたので私はどっちでもいいやと思ったけど、せっかくここまで来てるんだから本当のベルリン最古の木を見たいということで探し始める。
一頭の子牛が柵を越えて草を食べにきてた。ん?待てよ。なんで柵を超えられるんだ?視界も狭くなってたのでイマイチ境界線のワイヤーが見えず、私達が私有地と思われる場所を歩いてることに。戻ろうと提案したけど森の中へ繋がっている道を見て”太っちょマリーはこっちの方だし、道が森へ続いてるってことは公道だよ”と、今思えばなんの理由にもなってない返答を信じ森の中へ。
森の中は日が遮られかろうじて道が見えるくらい。道幅はどんどん狭くなっていき、とうとう目の前にフェンスが現れ行き止まり。もう~やっぱり引き返せば良かったんだよぉと泣きが入りはじめた。でもフェンス沿いの草の中に人が歩いた形跡があるのでそれを頼りに歩いていったら、フェンスの向こう側に人が行き来しているのを発見!どうやら水辺の歩道に辿りついたらしく、無理矢理柵を乗り越え歩道へ。
そしてやっと念願の最古の木も見たけど正直さっき勘違いした大木と変わりない・・・。私には不安になりつつあぜ道を歩いていた時、放牧地の片隅に一本だけすっと背筋を伸ばし生えていたきのこのほうが記憶に残ってる。写真を撮る心の余裕なんてなかったけど、今でも目にやきついている。
水は人を落ちつかせる・・・。
この橋も重要文化建築に登録されてる。暗闇にほのかな明かりを灯し、映画のセットみたいですごく情緒のある橋だった。
たとえ一度訪れた場所の近くでも何かしら発見がある。最初のワクワク感は少ないけどつまらないことは絶対にない。
でも森の中で行き止まりに出くわしたときは一人じゃなくても不安だったなぁ。どうやら私達、本当に私有地を歩いてきたみたい。