2014/10/18

A 10

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Frohnau クジは無心で引かないといけない。前回は地図の北端、前々回は西端だったのでそろそろ街の中心へ行きたい〜なんて思いながら引くとろくなことはない。私が引いたのは”A”。前回と同じ緯度、地図の一番上!旧国境付近です。

正直まただだっ広い麦畑を歩くのか・・と思ったんだけど、今回は数値の中に森がある。そして季節は9月。そうだ、きのこを集めに行こう!そう思ったら俄然テンションがあがってきた。ナイフと籠、きのこのガイドブックを持って出発。

 

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シンプルで良いデザイン。後で調べたら介護士紹介所のロゴでした。 

 

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なんかとっても落ちついた住宅街。ゆったりとした道にお屋敷が並ぶ。もしかしてここら辺は高級住宅街なのかな?

 

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ちょっと小高い所に仏教の寺がある。どうやらヨーロッパでは一番古いお寺らしい。

 

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Entenschnabel(アヒルのくちばし)一見なんの変哲もない袋小路だけど、ここは東西に分かれていた時、西側へ入り組んだ形で存在した元東側の道。当時の写真を見ると、今奥に建っている二つの家がある辺りに壁が存在し、手前の舗装されたアスファルトも途中で切れてるけど、そこにフェンスがあったんだと思う。

 

Ente

地図で見るとこんな感じ。赤色の線が元国境。このラインがあたかもアヒルのくちばしのように見えるのでそう呼ばれている。

何故この通りだけ東側になったのか?調べてみるとここが市の境目だったってこと。ま、当然か。第二次世界大戦後、首都であったベルリンも4カ国によって分割され統治されることになり、アヒルのくちばしの内側はブランデンブルク市=ソ連領。でも何故この様な形で隣りの市だったかというと、戦争以前にここの土地所有者が自分の土地をベルリンより税金の安いブランデンブルク市へ登録したから。単なる市の境界線だったら驚く事でもないけど、主義の違う国同士の境目となってしまったから壁も設置するし歴史的な場所になってしまった。

  

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そしてこの通りに住むのはもちろん100%忠実な東ドイツ人でなくてはいけない。ここの住民を訪れる人(職人や医者など)は前もって申請しないと勝手には入れなかったとか、狭い境界区域だから東西両側からお互い見えるけど、東側の住民は西側の隣人を見ても挨拶してはいけなかった・・・などなど、調べると色んな情報が出てくる。

当時はこんなかんじ。☞(クリックしてください。一見の価値あり!)


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境目ということについて考える。戦争で陣地を取りあうことから子供が砂場で遊ぶときに出てくる場所の取りあい、逆に飛行機に乗って上空から大地を見下ろした時に国境が見えないことも含めて”境目”について考える。

当時の壁写真(アヒルのくちばしの先端)を見たとき、大真面目に国境としてなりたっていることにあきれるというか笑ってしまった。でもこの人間のバカさ加減も私達の持っている性分なんだから仕方がない。ベルリンの壁はそもそも国同士のいざこざの象徴だけど、このアヒルのくちばしは人間の愚かさを最も浮き彫りにしてる様な気がする。

 

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森の中を歩き疲れて無口になりはじめた頃、きのこが大量に生えている切り株を発見!本と照らし合わせてみると食べれるキノコとして載っているではありませんかっ!!二人とも夢中になって採集。切り株がそんなに幅広くないうえ、地面に這いつくばらないといけない。しかもお互い同時に採ろうとするから頭と頭がよくぶつかるけど、両者一歩も譲らない。どんだけ夢中なんだか。

 

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これが今回の収穫!

 

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そして私達が採集したのは左側のキノコ。ちなみにこの本、以前フリーマーケットで買った東ドイツ時代のもので手描きのイラストが素晴らしい。

ただこの本、間違いやすい毒キノコの情報がろくに書かれてない。どう調理しようか?とインターネットで調べ始めたら、まず出てくるのがそっくりな猛毒キノコの記事。よく調べると本に書かれてる食用きのこStockschwaemmchen (センボンイチメガサ)は三ツ星がつくほど美味らしい。しかし見た目そっくりな猛毒きのこGift-Haeubling(ヒメアジロガサ、またはコレラタケの一種)があって素人目には見分けがつきづらいと載っている。

メチャクチャ、危ないじゃん!!!

調べれば調べるほどそっくりで不安に陥る。こんなに似てて間違いやすいんだったら注意書きしておいてよぉ〜と、古い本にむかって文句を言う。唯一の違いは、食用のほうには茎にささくれがあることなので採ってきたキノコの茎を全てチェックする。

ささくれがあることを確認し結局バター炒めにして食べました。お味は・・・香り良く味もしっかりしてるし、食感も歯ごたえがあって本当に美味しかった。何も起こらなかったから今ブログに書いてるんだけど、そして運良く(本当に運良く)食用だったし、でも本を見たときは微塵たりとも疑ってなかった。私達を含め素人がきのこを集めるときは必ず間違いやすい毒キノコがないか調べるべきだと学んだし、調べつくした後でも自己責任で食すべきです。野生きのこに手を出すときの鉄則!

 

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でもね、こんなに生えているキノコを森の中で見つけた瞬間の喜びたるや!しかも食べれると分かった時の喜びといったら!! 懲りずにまた探しに行こうと思わせる。

 

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最初はまた北の端だよと思ったけど、なんだか盛りだくさんの散歩だった。